「映画 プリキュアオールスターズNewStage(ニューステージ) みらいのともだち」 感想 |
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20120317■「映画 プリキュアオールスターズNewStage(ニューステージ) みらいのともだち」見てきました。
言うよ〜、言っちゃうよ〜〜〜?
「映画限定新プリキュアを出す」という時点で方向性が失敗してたんや!
…ふー。↑が基本的な感想ね。これからは感想を戦略面と戦術面に分けて書きます。
■戦略面 〜企画・方向性等の大局的なトコについて〜
……今回の映画、プリキュア「オールスターズ」を詠ってるので、作品の目的は「全てのプリキュアを活躍させる」ことだと額面で受け取っていたのですが、違ったようです。「映画オリジナルのプリキュアを出す」ということが主眼だったようです。
なんでそんなふーなことしたの? 「プリキュアオールスターズの看板は使うけど、去年までとは違うことがしたい」というのがスタッフ会議で上がったんじゃないか?という気すらします。監督が大塚隆史くんさんから志水淳児さんに変わったことを考えると、東映内の人間関係なりパワーバランスなりが働いたんじゃないの?とすら勘ぐってしまいます。そう、さも「戦隊オールスターズ」ゴーカイジャーから「戦隊の看板は使うけど去年までとは違うことをしたい」武部Pゴーバスターズに変化したこと、のように… (この指摘が的外れだった場合はスミマセン)
新キャラを出すんなら、そのキャラの説明・目的・そしてプリキュア化するんならそのシークエンスを描かねばなりません。しかし、そもそも尺がキッツい短編映画で、プリキュアが歴代合計28人いるのに、なぜそんな企画をしたのでしょうか?もちろん、最初から「11人削る」を裏目的として設定していたとしたら、その目的は達成していたかもしれませんが、それって既にオールスターズじゃないよね?
今回の映画でも、例えば「新プリキュアを出さないけどフーちゃんとの心の交流は描きたい」ということはできたはずです。新米プリキュア・みゆきがキャンディと喧嘩して、フーちゃんと出会って…みたいな感じで。ストーリー性もそれで十分描くことができたはずです。でも最初に「新プリキュアを出す」という命題ありきの映画だったわけで… 話の主軸をオリジナル新キャラにする、という時点でもはや何の映画かわからなくなっていることにどうして気付かないんでしょうか…(これはハト映画の時にも書きましたね)
ちなみに、「オリジナルキャラクターを登場させることにより原作キャラクターの個性を引き立たせる」という手法は物珍しいことではありません。しかし、それは「スピンオフ」や「同人誌」のときに許されることであって、正伝にはふさわしくない手法だと思います。
……そう考えると、今回タイトルから「DX」が抜けてるあたり、最初っから今作は「プリキュアオールスターズDXのスピンオフ」という位置づけだったのかもしれません(苦笑)。や、それならそれでわからなくはないよ?わからなくはない、けど…そんならタイトルから「オールスターズの文言抜けや!」ということが言いたくなります(苦笑)。
だって、ねぇ。やはり、ねぇ。「MX・SS・5GOGOの11人が喋らない」ってのは既にオールスターズじゃないもの、ねぇ。
そして、「ぼくのかんがえた新しい映画限定プリキュア」を描くために、「今までのプリキュアは盾になってよ!」というのは、企画の段階で異論は出なかったのでしょうか?それとも誰かの声が大きくてそのまま通ってしまったのでしょうか?まさか全てのプリキュアが「映画限定キャラを前に送り出すためだけの防御壁扱い」されるとは思わなかったなぁ… 必殺技も通常アイテム技しか使わないし、またはそれで事足りる場面しか与えられてなかったし。あれじゃ「プリキュアオールスターズなのに客演扱い」だったとしか言えませんなー。もちろん、MH・SS・5GOGO組はもっともっと酷い扱いだったわけですがorz
あとスタッフ、スイート好きすぎるだろ(苦笑)。いくら直近の先輩プリキュアとはいえ、現行スマイル組のみゆき以外4人より目立ち続けるというのは、ちょっとバランス感覚おかしいんじゃないの?そこらへんを見ても、大塚隆史くんさんを敵視してる人がいたんじゃないの?という推測をしてしまうんですうよ、ねー…
まぁ、そういうわけで。今回の映画は
オールスターズ見に行ったのオールスターズじゃなかった!騙された!
というのが私の素直な感想です。
■戦術面 〜技術的な側面について〜
……すげぇ!
技術的なことでは、作画以外については文句のつけるところが少ないです。まず脚本、無駄なところが何ひとつない。たとえばBGMだけのシーンで横浜散策してるシーンにしても、誰もいない赤レンガ倉庫(笑)でアイスを食べるシーンは心の交流の象徴シーンにされていたり、マリンタワーを決戦の地(爆笑)に選んでいたり。…まぁなんでマリンタワーなんかを目的地に選んだのか謎すぎますが、ね!(苦笑) これはローカルな話題になるかもしれませんが、それでも、高いところと言えば普通にランドマークタワーを選ぶべきでしょ?そこを選ばなかったあたり、横浜市との企画協力のミーティングでランドマークの許可が下りなかったんじゃないか?という邪推をしてしまいます(笑)。みなとみらいの町にしたって今回驚くほど破壊されていませんよね?オールスターズ1作目ではあれほど荒廃の地にされていたのに…アレも横浜市とのコラボの過程での、横浜市側の意向だったのではないか?と思います。そう考えると、序盤でみゆきと響が追いかけていたルートも、横浜市が指定してきた消化すべき町並み描写の尺の稼ぎだったのかも?と…さすがに考えすぎかねぇ?(笑)総じて、脚本の技術は高かったと思います。でも、技術で書いて魂がこもってない気がしなくもなかったり(苦笑)。脚本家ではなく脚本屋に徹したのかな成田さん?誰かがピンチで傷つきながらも立ち上がるっつー展開や、ラストで全員集合攻撃もなく、スマイル5人が敵の攻撃を防いだだけで終了(爆笑)、というのは脚本家が決めることではなく企画段階でのことだもんなぁ。
演出もよかったですねー、特に歴代の準レギュラークラスの人たちを「ウォーリーを探せ」レベルでモブに挟み込んでいたのは執念を感じましたw もちろん、初期3世代のキャラクターは見事にオミットされていたわけですが! あとミラクルライトの説明も丁寧でしたねー(これは脚本の方かな?)。
とにかく、現場レベルでの水準は大変高い印象、これは好感もてるポイントでした。
あとこまごましたとこー
◆OPの銀の恐竜と戦ってるシーンの回りこみは凄まじすぎ!書いた人は神!書かせた人は鬼!(笑)
◆スイートとスマイルのキャラデザの違いが凄まじすぎるw並べて書くなよw つーか、統一作画資料は作らなかったの?
◆えりかさんは安定のえりかさんで安心しましたw
◆ブラック&ホワイト、原初の強さ!8人がかりで止められなかった氷川丸を2人で止めるとはなぁw (え?ルミナスは手を添えただけでしょ?w)
◆EDのダンス、まさかリアルタイムレンダリングじゃないとは思うけど、部分的に作って合成していってるんだとは思うんだけど、それにしたってマシンパワー凄すぎるだろ!
などなど、いろいろと技術面では見るべきところは多かったです。
まぁ最初に結論書いたから今更まとめることはないんだけど、敢えて言うとすれば…「これ、大塚隆史くんさんのことを嫌いな人が作ったんじゃねーの?」とゆー感じかな。…なんでオレは東映内部事情を心配してるんだ(笑)。